深草の横取り四十萬

何をつくっているのでしょうか

【2010-06-15】[日記]大阪の「哲学カフェ」に行きました

先日9日に大阪の中之島で開催された「哲学カフェ」に行きました。
http://www.cafephilo.jp/fes/shima_09_ss.html

哲学カフェ
「「幸せ」ってなに?」
【時間】19:00〜21:00
【定員】50名(先着順、入退場自由)
【進行】三浦隆宏 (摂南大学非常勤講師)
【主催】大阪大学CSCD/アートエリアB1/カフェフィロ

哲学カフェでは、コーヒーを飲みながら、日常生活から科学や芸術まで幅広いテーマについて参加者みんなで議論を楽しみます。6・7月のテーマは「希望をさがす」。今回はその導入として、私たちにとって「幸せ(幸福)」とはどういうものなのか、みんなで話し合いたいと思います。

会場は京阪線なにわ駅の駅構内、改札を出て右手の階段を上ったところのオープンスペースにあり、19:00ちょっと前に行ったところ、既に30名程度の人がプラスチック製の折り畳み椅子に座っていました。私が座った後も人は増えていたようで、80名程度まで膨れ上がっていたとも聴きます。開始前はプロジェクタでスクリーン(あるいは白壁だったか)にフランスの「哲学コレージュ」のインタビューが映っていました。

進行役の人が前に出てきてスタートしました。まずプロジェクタで新聞記事が写されました。内容は鳩山政権が実施した「幸福度調査」に関するもの。幸福は指標化できるか、測定可能化という話のようでした。

座っている一般参加者から挙手してもらって進行役の人が次々にあてていくという形式で、人数が数十名に対して時間が二時間しかないので、あまり発言時間はありません。また、

  • 進行役は自分の意見を述べないこと
  • 「極論」はついて来れない方がいるので差し控えること
  • 専門用語を使った場合はその語義説明を求めること*1

といった方針で進行されているようでした。終わった後に副代表の本間氏にうかがったところ、ここうした方針は進行役の裁量に任されているとのこと。私も「極論」を申し述べてはみましたが、特に進行役の方からも他の方からも手応えはありませんでした(単に私の発言がつまらなかった&わかりにくかっただけかもしれません)。いずれにしても二時間も当たり障りのない「意見」を聴くのは窮屈な感じがしたというのが正直なところです。

参加者の方は女性が三割程度、会社帰りか役所帰り(近くに役場があるので)と思しきスーツ姿の方が十名以上、学生の方もおられました。メガネ率は半数程度でした。

議論はなんだかんだで「幸福なんてみんなバラバラで指標化できるわけがない」「人それぞれだ」という結論に落ち着いたようでした。まあそういう平凡なことを申し立てる人がいてもいいけれど、上記のいろいろな制約(時間的、内容的)によってそんな感じに皆さんの意見が平板化していっている風にみえたのは実につまらない限りだなあ、と哲学道場的なおもしろさの観点からは感じてしまいましたね*2

終了後は特に懇親会などもなく、あっという間に皆さん帰っていかれました。私はと言えば、自分が世話役を務める哲学道場の宣伝でもしたかったのですが、目当ての方が帰ってしまって困ったという感じでいたら女の人が話しかけて来ました。「なんだ?」と思ったら自己啓発セミナーの勧誘の方でした。

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※一緒に参加してくれた谷口君が関連するtwitterの投稿をまとめてくれておりますのでリンクしておきます。
市民に開かれた哲学とは何か:哲学カフェ VS 哲学道場

*1:マズローの五段階欲求」のような哲学以外のものでも。ただし、そもそも一人当たりの時間がないため実質禁止に近い

*2:なんていうか、NHKの家族向け番組っぽいんですよね雰囲気が